深夜のコンビニ、底辺飯

???「すみません!」ドンドン

窓を開けると白髪混じり50代ぐらいのおじさんがいた。訳を聞くと車のバッテリーが上がってしまったらしく、助けを求めてきた。わたしは車同士をつないでエンジンをかけるというすべを知っていたため戸惑う歳下の友人にその説明をし、なんとかしようとした。

車をおじさんの近くに移動した、コンビニから道路に出るあたりで止まっていたので本当に困っているようで内心ホッとした。

そしてわたしが車の中で、彼が外でおじさんとエンジンをいじっていた。そのうちわたしも外へ出た。

エンジンがかかり

「ありがとうございます、とても助かりました。よかったら使ってください。」と千円札を渡しくれた。断ったが、ここは貰っておくのが道理だろう。

ありがたくお金を受け取り、また元のスペースに車を停めた。

  せっかくだしそのお金でコンビニで何か食べるものを買おうという事になり、店内へ入った。だらだらとおしゃべりをしながら物色をした。ここでもう深夜のすき家のような底辺感が漂っていた。(深夜のすき家とかコンビニって底辺感がしない?)寒いから温かいものがいいのではないか、でもなるべく安くすませない?など。これからそのお金を一緒に使うときがあるのかわからないけど。結局何十分も悩んだ結果、通常より大きいサイズのカップラーメンを1つ買った。

店内にあるポットから湯を貰い、車へ帰った。店員からしたらうるさいしさぞ迷惑な客だっただろうな。ごめんなさい。

暗くて狭い車内で2人交互にカップラーメンをたべた。この状況、なんて底辺なんだろう。ド貧乏かと思うぐらいのクオリティ。でもそれをわざとやっているのが楽しかった。楽しいというかこの不思議な感じが面白い。あったかくてしょっぱい汁が身に染みて幸福を感じた。小さい幸せ。大きいサイズなのにラーメンはすぐになくなってしまった。

だいぶ遅くなってしまったが、後ろ髪引かれながら家に送ってもらい帰宅した。

そして余ったお金を使うこともなかった。そんな12月30日、正しくは31日の深夜。

31日の大晦日は目が腫れて気分は最低だった。